強塩基の性質を把握した上で、共通テストや二次試験で必ず得点源にしなければならないのが「弱塩基の遊離反応」です。この反応の根底にあるルールは極めてシンプルです。
【弱塩基の遊離の絶対ルール】
(弱塩基からできた塩)+(強塩基) $\rightarrow$ (強塩基からできた塩)+(弱塩基)
強塩基は「何が何でもイオン($\text{OH}^-$)を出して塩になりたい」という強い電離能力を持っています。そのため、弱塩基が保持している陽イオンの座を強引に奪い取り、弱塩基を分子状態へ追い出して(遊離させて)しまいます。
例えば、塩化アンモニウム(弱塩基の塩)に水酸化ナトリウム(強塩基)を加えて加熱する反応は次のように組み立てます。
- 原料を確認: $\text{NH}_4\text{Cl}$(弱塩基の塩)+ $\text{NaOH}$(強塩基)
- パートナー交換: 強塩基の$\text{Na}^+$が$\text{Cl}^-$と結びついて安定な塩($\text{NaCl}$)を形成
- 弱塩基が追い出される: 押し出された$\text{NH}_4^+$と$\text{OH}^-$が反応し、気体のアンモニア($\text{NH}_3$)と水($\text{H}_2\text{O}$)が発生
$$\text{NH}_4\text{Cl} + \text{NaOH} \rightarrow \text{NaCl} + \text{H}_2\text{O} + \text{NH}_3 \uparrow$$
「強者が弱者を追い出す」という自然界の力関係としてイメージを掴んでおくことで、無機化学の気体発生装置の実験問題や計算問題において、反応式を暗記に頼らずその場で10秒以内に導出できるようになります。