薄暗い早朝の栗東トレーニングセンター。以前にも増して早くから馬場入りする彼の姿が頻繁に目撃されている。中堅・若手厩舎の攻め馬にも積極的に跨り、若駒の癖を丹念に修正する作業を繰り返す。
「馬の気持ちを理解すること。若い頃よりも今の方が、馬の小さな変化に気づけるようになった」
派手なパフォーマンスやガッツポーズがトレードマークだった男が、職人のように緻密な対話を馬と重ねている。身体のケアにも最新のトレーニング理論を取り入れ、ベテランと呼ばれる年齢に達した今なお、フィジカルとメンタルのコンディションは研ぎ澄まされている。