インターネット上の掲示板や一部のSNSでは、「PESやSUがいないRIP SLYMEのライブは物足りないのではないか」「過去曲のマイクリレーはどうなっているのか」といった疑問や懸念が時折見受けられます。しかし、実際の現場を取材すると、そうした先入観は良い意味で鮮やかに覆されます。
現場における最大のポイントは、DJ FUMIYAによる精緻なリミックスワークとパート再構築です。不在となったメンバーのパートを単に穴埋めするのではなく、RYO-ZとILMARIが新たなフロウで掛け合えるようにトラック自体を再編集したり、客演ゲストを迎えて新しい解釈を提示したりすることで、楽曲は単なる「懐メロ」ではなく「現在進行形のライブトラック」として生まれ変わっています。
2002年にHIP HOPグループとして史上初となる日本武道館単独公演を成功させた歴史を持つ彼らですが、過去の栄光に寄りかかる姿勢は微塵もありません。「いま最も踊れるビートを鳴らす」という一点において徹底的に研鑽されたステージングは、編成の変化をポジティブな進化へと昇華させています。
【プロの結論】音楽グループの成熟プロセスとRIP SLYMEライブへ行くべき人の判断基準
結成から四半世紀以上を経て、メンバーの増減や活動休止を乗り越えたグループが到達する境地には、特有の深みがあります。日本の音楽シーンにおいて、初期衝動の勢いから成熟期へと移行する過程で解散に至るグループが多い中、RIP SLYMEが提示した「3人での再構築」という選択は、アーティストの持続可能性を示す極めて示唆に富むモデルケースです。
以上の実態を踏まえ、現在のRIP SLYMEライブへ「参加すべき人」と「慎重に判断すべき人」の基準を整理します。
- 迷わず行くべき人:
- 高品質なヒップホップ・ファンクサウンドで思い切り身体を揺らしたい人
- 平成を彩った名曲群の最新アップデート版を体感し、ポジティブなエネルギーを得たい人
- RYO-Z、ILMARI、DJ FUMIYAという屈指のプレイヤーが放つ、大人の遊び心に満ちたステージを間近で見たい人
- 慎重になるべき人:
- 当時の5人による完全再現のCD音源クオリティのみを絶対視し、アレンジや変化を受け入れがたい人
- スタンディングの過密なフロアや、大音量の重低音サウンドが体質的に苦手な人(指定席公演の選択を推奨)