近年、空間デザインの領域では自然素材と都市空間を調和させる試みが加速している。日本を代表する建築家・隈研吾が手掛ける空間に見られるように、木材や竹といった有機的な素材を巧みに組み込んだデザインは、金属とガラスに囲まれた都会の空中庭園に優美な温もりをもたらす。
こうした空間美学と共鳴するのが、最先端のミクソロジー技術だ。伝統的なカクテル理論にとらわれず、液体窒素を用いたテクスチャーの表現や、自家製インフュージョン(浸出酒)による複雑な香りの構築など、実験的かつ芸術的なドリンクが誕生している。素材の質感にこだわる建築デザインと、一杯のグラスに物語を表現するドリンクのアプローチは、深い次元で共鳴し合っている。