「たかが1メートル」という数値の響きに騙されてはならない。建築構造工学の視点から見ると、浸水が1メートルに達した時点で家屋が受ける側圧は数トン規模に達する。静止した水と異なり、時速数十キロメートルで押し寄せる波は柱や壁面に強烈な流体力を加えるためだ。
日本国内の住宅データによると、津波浸水深が1メートルに達した場合、木造住宅全壊の割合は急激に跳ね上がる。水が床上に達した瞬間、建物内部には強大な浮力が働き、基礎と土台を固定する金具を引きちぎる。浮き上がった家はそのまま濁流に乗り、漂流物となって近隣の建物に衝突を繰り返す。自宅に留まっていれば安全という考えは、津波の前では通用しない。