実在の犯罪事件をエンターテインメントやドキュメンタリーとして消費するトゥルー・クライムのコンテンツは、世界的に絶大な人気を誇る。日本でもテレビ番組『ザ!世界仰天ニュース』などのメディアで過去のあおり運転事件やネットデマが特集され、大きな反響を呼んできた。
しかし、個人が自由に情報を発信・分析できるデジタルジャーナリズムの台頭は、諸刃の剣でもある。プロのジャーナリズムに課されるファクトチェックや裏付け取材を欠いたまま、一般ユーザーや配信者が「事件考察」と称して不確実な情報を流布するリスクが常態化しているからだ。真実の追及という名目のもとに消費される「噂」が、時に新たな被害者を生み出す構造を、私たちは厳しく再考しなければならない。