マグロの刺身が鮮やかな赤色をしている理由も、この絶え間ない遊泳と深く結びついている。彼らの筋肉には、血液中の酸素を効率よく取り込んで保持するタンパク質「ミオグロビン」が爆発的な密度で含まれており、これが筋肉組織を深紅に染め上げている。
さらにマグロの心臓は、魚類の平均と比較しても圧倒的に大きく、強靭な心筋を備えている。全身の「赤身肉(遅筋)」に絶えず新鮮な酸素を含んだ血液を循環させることで、疲労物質である乳酸の蓄積を防ぎ、アスリートのような持続的ハイパフォーマンスを維持できる。止まらない身体は、内臓のスペックそのものによって裏付けられている。