近代建築の父と称される建築家・辰野金吾が手掛けた美しい赤れんがの丸ノ内駅舎。1914年の開業当時、駅の構造は至ってシンプルだった。しかし、日本の経済成長とともに鉄道インフラ産業が劇的な発展を遂げると、駅は縦横へと増殖するように拡張を始める。
現在、この巨大ターミナルには複数の鉄道事業体が入り組む。在来線や複数の新幹線を管轄する東日本旅客鉄道株式会社、東海道新幹線を運行する東海旅客鉄道株式会社、そして地下の主要血管を担う東京地下鉄株式会社だ。事業体ごとに改札や案内表示の設計思想が異なることこそが、利用者を惑わす最大の要因になっている。