粗品を単なる「迷惑系YouTuberと同類の炎上屋」として片付けることはできません。彼がどれだけ批判を浴びようとも業界から干されないのは、芸人としての圧倒的な基礎体力とネタ作りの技術があるからです。フリップ芸の革命児としてR-1を制し、独特のワードセンスと高速ツッコミでM-1の頂点に立った実力は、同業者からも高く評価されています。
近年のバラエティ番組は、コンプライアンスの強化やSNSでの炎上回避を意識するあまり、無難で安全な企画に偏りがちです。そうした時代において、粗品はあえて危険な刃物を振り回すことで、かつてのお笑いが持っていた「ヒリつき」や「スリル」を一人で体現しています。
彼の芸風評価は、「時代錯誤な暴走」と見るか「予定調和を壊す最後のカリスマ」と見るかで真っ二つに分かれます。しかし、誰もが顔色を伺いながら発言する時代だからこそ、むかつくと言われようが嫌われようが、己の美学を貫いて牙を剥き続ける粗品の存在は、お笑い界において極めて特異で貴重なポジションを確立しています。