日本語の豊かなオノマトペのなかでも、「しこしこ」は主に麺類を食べた際の適度な硬さと弾力があり、噛み切る際に心地よい抵抗感がある状態を表す言葉です。単に硬いだけでなく、歯を押し返すような弾性(スプリング感)と、すっと噛み切れる軽快な歯切れの良さが共存している点が大きな特徴とされています。
辞書的な定義を確認すると、広辞苑や大辞林などの主要な国語辞典では「弾力があって歯ざわりが良いさま。主にうどんや蕎麦などの麺類に用いる」と説明されています。咀嚼のプロセスにおいて、初期段階で弾力を感じさせつつ、過度な粘り気を残さずにすっきりと破断する心地よさを凝縮した言葉です。
なお、表記面におけるしこしこの漢字表記について調査すると、現代の公的文書や辞書では原則としてひらがな、もしくはカタカナ(シコシコ)で表記されます。歴史的な当て字として「強強」や「志己志己」といった文字が当てられる例もごく稀に見られますが、常用漢字表に準拠した正式な漢字は存在せず、表音文字としての仮名表記が一般的です。