石狩川の歴史は、水との闘いの歴史そのものだ。明治時代以降、開拓に伴い治水と農地開発が最優先とされ、激しく蛇行していた流路は相次いで直線化された。その結果、数多くの「三日月湖」が取り残され、湿地帯の縮小とともに多様な生物の生息地が奪われた過去がある。
しかし今、過去の切断された旧流路を再び河川ネットワークと連結させる「自然再導入」の試みが結実しつつある。人工的に作られた蛇行区間は、急激な増水を和らげる天然のバッファーゾーンとして機能し始めた。「短時間で海へ水を流し去る時代は終わった」と地元の環境保護団体代表は指摘する。あえて流れを緩やかにすることで、防災と環境保全という相反する課題に解を見出したのだ。