上七軒はテーマパークではなく、人々が日常を営む生活の場だ。夕刻、お座敷へ向かう芸舞妓を追いかけてカメラを向ける行為や、大声での会話は、住民の平穏な暮らしを脅かす。観光協会や地元有志は、多言語でのマナー啓発看板を設置するだけでなく、ガイドツアーの人数制限など、具体的な規制に乗り出している。
「静かに歩き、街の気配を感じてほしい」と関係者は口を揃える。2026年、京都が目指すのは「量から質」への観光政策の転換だ。上七軒の路地を歩く者には、その歴史の重みを理解し、街の静寂を壊さない品格が求められている。