二人の関係性を決定づけた記念碑的映画が、島尾敏雄・島尾ミホの文学を原案とした『海辺の生と死』だ。第二次世界大戦末期の奄美大島加計呂麻島を舞台にした本作で、満島ひかりは主人公のカゲキな愛を生きる島娘を、永山絢斗はその恋人となる特攻艇隊長を演じた。
生と死が隣り合わせの極限状態を描く本格派ヒューマンドラマ。過酷な自然環境下での長期ロケは、役者陣に極限の集中力を強いた。満島は自身のルーツでもある奄美の空気と同化し、永山もまた孤独な青年士官の内面を削り出すように表現した。フィクションとドキュメントの境界が曖昧になるほどの熱狂。この現場で二人が共有した濃密な時間は、演技の域を遥かに凌駕する精神的連帯を生み出すこととなった。