台所用のキッチンハイターを浴室掃除に流用すること自体は、成分的には可能です。主成分である次亜塩素酸ナトリウムは強力な酸化作用を持ち、黒カビの菌糸を破壊して色素を分解・脱色する能力に長けています。しかし、浴室のあらゆる場所に無制限に使えるわけではありません。
最大の懸念は、素材に対する攻撃性です。特にFRP(ガラス繊維強化プラスチック)や人工大理石、コーティング加工が施された浴槽に原液や高濃度の希釈液が付着すると、表面のツヤが失われたり黄ばみ・変色が発生したりするケースがあります。一度傷んだ浴槽のコーティングは自力での修復が難しく、再コーティングや交換など高額な修繕費用がかかるリスクを伴います。
また、塩素系漂白剤特有のツンとした刺激臭は揮発した塩素成分によるものです。狭く密閉されやすい浴室空間で使用する場合、換気扇を回すだけでなく、ドアや窓を2箇所以上開けて空気の通り道を確保することが必須条件です。体調不良やめまいを引き起こさないための安全配慮を第一に考えなければなりません。