帝国の瓦解は、長年交際していたシンガーのキャシー・ヴェンチュラ(Cassie Ventura)による民事訴訟から始まった。訴状に克明に記されていたのは、十数年にわたる身体的・精神的な虐待、薬物の強要、そして意に反する性行為の強要という戦慄すべき実態だった。提訴からわずか24時間で電撃的な和解が成立したものの、世間に走った衝撃波が消えることはなかった。
決定打となったのは、ホテルの廊下でコムズが彼女に激しい暴行を加える防犯カメラ映像の流出だ。過去の疑惑を断固として否定し続けてきた本人の弁明は、この生々しい映像によって完全に説得力を失った。これを機に、過去の被害を訴える関係者からの告発が雪崩を打って押し寄せ、事態は一気に連邦レベルの重大捜査へと舵を切ることになった。