二人の本領は、単なるお笑いタレントではなく、江戸時代から続く太神楽曲芸(だいかぐらきょくげい)の正統派後継者としての卓越した技術にありました。
太神楽はもともと、神社仏閣の神事や厄払いに端を発する縁起の良い伝統芸能です。その中でも染之助さんが見せる傘回しは圧巻でした。開いた和傘の縁の上で、小さな鞠(まり)から始まり、木升、さらには水が入った金魚鉢まで滑らかに回転させる技は、日々の過酷な鍛錬がなければ絶対に成立しない神技です。
さらに、顎の上に何段もの茶碗を積み上げる「五階茶碗」や輪投げなど、多彩な曲芸を完璧にこなす基礎体力とバランス感覚を誇っていました。一見すると染太郎さんの軽妙なトークばかりが目立ちますが、その笑いを成立させていたのは、染之助さんの決して失敗しない圧倒的な技術力でした。