スイカが野菜とされる最大の根拠は、植物学および園芸学における植物構造の差にあります。植物分類において、作物は幹が木質化して何年も生き続ける「木本(もくほん)植物」と、茎が柔らかく1年〜数年で枯れる「草本(そうほん)植物」に大別されます。
果樹と野菜の境界線は、この木と草の違いに基づいています。リンゴ、ミカン、ブドウ、モモなどは樹木に実をつけるため「果樹(果物)」となります。対してスイカはウリ科の一年生草本植物であり、地面を這うツル(茎)から花を咲かせ、実をつけ、収穫後には株全体が枯死します。このライフサイクルの違いこそが、スイカが野菜である動かぬ理由です。
植物学・園芸学の観点では、トマトやキュウリと同じ「果菜類」の仲間でありながら、糖度が高く生食デザートに向く性質を持ったものが、日本の農業体系において「果実的野菜」という独自の立ち位置を与えられています。