光が当たる一方で、足元の聖域が直面する現実は決して甘くない。全国に約8万社ある神社の統括を担う神社本庁や、文化財保護を所管する文化庁が頭を抱えているのが、地方を中心とした深刻な神職の後継者不足と過疎化だ。宮司が常駐しない兼務社は年々増加し、鎮守の森の維持管理や老朽化した社殿の修復費用の確保は喫緊の課題となっている。
地域の祭りが担い手不足で縮小・消滅の危機に瀕する中、クラウドファンディングを活用した修繕プロジェクトや、近隣住民によるボランティア組織の結成など、新たな維持の形が模索されている。近所の神社を守ることは、単に宗教施設を維持するだけでなく、地域コミュニティの歴史的アイデンティティを次の世代へ手渡す作業にほかならない。