データ可視化において「片対数グラフ(縦軸対数)」「片対数グラフ(横軸対数)」「両対数グラフ」をどのように選択すべきかは、分析対象となる数理モデルによって論理的に決まります。
片対数グラフ(縦軸が対数)は、時間の経過に伴ってデータが「掛け算(比率)」で爆発的に増加・減少する現象(指数関数的変化:$y = a \cdot e^{bx}$ または $y = a \cdot 10^{bx}$)を直線化するために用います。感染症の新規感染者数、細菌の増殖、複利運用の資産推移、放射性物質の崩壊プロセスなどが典型例です。
一方、片対数グラフ(横軸が対数)は、入力値が広範囲に及ぶのに対し出力が対数的にしか反応しない現象(対数関数的変化:$y = a \ln(x) + b$)に使用されます。音響工学の周波数応答曲線や、化学のpH滴定曲線、生化学における用量反応曲線(シグモイド曲線)などが該当します。
これらに対し、両対数グラフ(縦軸・横軸ともに対数)は、2つの変数が「べき乗(べき乗則:$y = a \cdot x^k$)」の関係にある場合に直線となります。地震の規模と発生頻度(グーテンベルグ・リヒター則)、都市の人口順位と規模(ジップの法則)、天体の軌道半径と公転周期(ケプラーの第三法則)などは、両軸を対数に設定することで初めて完全な直線関係として分析可能になります。