ネット上で「実家のヤマザキの皿がフローリングをへこませた」「落とした床のほうが割れた」といった逸話が飛び交う背景には、明確な工学的理由が存在します。この白いお皿の正体は、フランスに本社を置く世界最大級のガラス食器メーカー、アルク・フランス社(Arc France)が手掛ける「オパールガラス(アルコパル)」と呼ばれる全面物理強化ガラスです。
一般的な陶磁器や安価なガラス食器は、成形後に自然冷却されるため内部に微細な歪みが残り、衝撃が加わるとそこを起点に亀裂が走ります。一方、アルク社のオパールガラスは、約700度まで加熱したガラスを一気に急冷することで、表面に強力な「圧縮応力層」を形成。外からの衝撃を押し返すバネのような力を備えているため、日常的な落下や接触では簡単には割れません。
さらに、オパールガラスは陶器のような温かみのある乳白色を持ちながら、磁器よりも気孔が少なく滑らかで汚れがつきにくい特性を持ちます。山崎製パンが1981年のキャンペーン開始当初からフランス製強化ガラスを採用し続けている理由は、日本の家庭で毎日ガシガシ使ってもビクともしない本物の耐久性を追求した結果にほかなりません。