水彩や厚塗りとは異なり、デジタル描画で「本物の水」を表現する最大のコツは、水そのものを青く塗らないことだ。プロが実践する秘伝のテクニックは、透明な水が周囲の光を反射し、屈折させる物理現象をレイヤー構成で再現する点にある。例えば、水中に深く差し込む光の筋や、底面に揺らめく網目状の集光模様(カスティクス)は、オーバーレイや加算(発光)レイヤーを効果的に重ねることで、一瞬にして幻想的かつリアルな質感が立ち現れる。
また、構図の緊張感を高める水しぶきや泡の描写においては、あえてシャープなブラシ線とガウスぼかしを極端に対比させるアプローチが効果的だ。現在、多くのイラストレーターが活用する標準ソフトウェアCLIP STUDIO PAINTには、水滴や水沫を瞬時に散らすカスタムブラシが多数搭載されており、光の反転効果と組み合わせるだけで、誰でも圧倒的なリアルさを作品に与えることができる。