ユニ・チャームに株主優待があった時代、その内容は同社の看板商品である紙おむつや生理用品、ペット用品などの自社製品セットだった。長期保有者向けに、マミーポコやムーニー、ソフィといったブランド品が段ボールで届くという、生活者にとっては実用的な内容だったと記憶している株主も多い。
では、なぜその制度はなくなったのか。最も大きな要因は、株主数の爆発的な増加だ。ユニ・チャームは過去に株式分割を繰り返し、投資単位を引き下げてきた。これにより個人株主が急増し、優待品を全国に配送するコストと事務負担が無視できない水準に達したとみられる。実際、日用品メーカー各社が優待を縮小・廃止した流れと時期が重なっており、業界共通の構造的な問題だったことがうかがえる。
また、同社はアジアを中心に海外売上比率が高いグローバル企業である。優待品の送付先を国内株主に限定すると、海外投資家との公平性を欠くというガバナンス上の議論もあったはずだ。こうした背景から、ユニ・チャームは「株主優待 変更」というよりは、還元手法そのものを配当へ一本化する道を選んだ。これが、現在「優待がない」と言われる理由の本質である。