カバのぽっちゃりとした見た目から「体脂肪が多くて動きが鈍い」と想像しがちですが、実態は正反対です。カバの皮下脂肪は数センチ程度しかなく、あの巨大な体積の大部分は強靭な筋肉の塊と極限まで高められた骨密度で構成されています。
カバの骨は中身がぎっしりと詰まった特殊な高密度構造になっており、比重が水よりも重く作られています。これにより、激しい川の流れの中でも体が浮き上がることなく、川底を軽快に歩いたり走ったりすることが可能になっています。
そして陸上に上がると、その高密度な筋肉組織が一気に爆発的な推進力を生み出します。カバが陸上を本気で走る速度は時速約40km(短距離であれば時速45km近く)に達します。これは100mを約9秒台で駆け抜けるスピードであり、ウサイン・ボルト氏のようなトップアスリートですら陸上で追いつかれれば逃げ切ることは不可能です。「重いから遅い」のではなく、「重い質量をすべて推進力に変える強大な筋肉を持っている」というのがカバの真の姿です。