ヒット作のドラマ化を巡り、出版社とテレビ局の間で何が起きていたのか。かつて『セクシー田中さん』の映像化プロジェクトを主導した小学館と日本テレビのやり取りは、制作プロセスの不透明さを世に知らしめる契機となった。劇中のセリフひとつ、キャラクターの意図ひとつに込める著者の思いと、短期間で高視聴率を狙う番組制作側のロジック。そこには埋めがたい溝が存在していた。
検証報告書の公表を経て明らかになったのは、当事者間のコミュニケーション不足だけではない。原作改変に対する認識の温度差、契約締結のタイミングの遅れ、そして仲介役に立たされる編集者の過酷な立ち位置だった。原作リスペクトという言葉が掛け声倒れにならぬよう、現場レベルでのガイドライン策定や事前協議の徹底が今まさに進められている。