この地に受け継がれる精神性の象徴が、毎年2月2日と10月2日に執り行われる「お綱かけ神事」だ。三重県の無形民俗文化財にも指定されるこの儀式は、日本最古の神事の一つに数えられている。
氏子たちが自らの手で編み上げた約170メートルにおよぶ大綱が、巨岩の頂上から境内の御神木へと引き渡される。七つの縄旗が風にはためき、青空を背景に大綱が岩壁から海へと渡される情景は息をのむ美しさだ。クレーンなどの重機に頼らず、人々の手と掛け声だけで巨岩に綱を張り巡らせる営みは、古代人が自然に対して抱いていた畏怖と畏敬の想いをダイレクトに今へ伝える。