キャラクターの魂を決める「目」の描写において、複雑なまつ毛の束や繊細なグラデーションは初期段階では不要です。初心者が最短で可愛い目線を作るには、「上まぶたの太いアーチ」と「楕円形の瞳」の組み合わせからスタートするのが最も堅実です。
上まぶたは緩やかな弓なりに描き、目尻側をやや太めに強調します。下まぶたは完全に囲い込まず、中央から目尻にかけて細いラインをちょこんと置くだけに留めると、抜け感のある現代的なアニメ表現になります。瞳の中には、瞳孔となる濃い丸を描き、その斜め上に大きめの白いハイライトを1つ配置します。これだけで、濁りのない生き生きとした視線が完成します。
表情のバリエーションを展開する際は、「眉毛の角度」と「口の形状」の連動を意識します。笑顔を描くときは眉を八の字に下げて口を逆三角形に開き、困り顔や甘え顔を表現したいときは眉頭を上げて目尻をわずかに下げます。人間の感情認知は眉と口の距離感に強く影響されるため、記号化されたパーツの角度を変えるだけで多彩な感情が表現可能です。
さらに、キャラクターを可愛く見せる構図には、「わずかなアオリ(見上げ)またはフカン(見下ろし)」の視線設計が深く関係しています。スマートフォンの画面越しに鑑賞されることが多い現代のイラストでは、キャラクターがやや上目遣いで鑑賞者を見つめる構図(アイレベルをキャラクターの頭頂部付近に設定)が、保護本能を刺激して滞留時間を伸ばす強力なフックとなります。