獅子王司の代名詞といえば、石化解除直後に巨大な雄ライオンを一撃で殴り倒した「霊長類最強の高校生」としての規格外の戦闘力です。しかし、その圧倒的な武威の裏には、あまりにも過酷で切ない過去が存在していました。
司には、幼少期から脳死寸前の昏睡状態に陥っていた実の妹・獅子王未来(みらい)がいました。巨額の医療費や生命維持装置の維持費を稼ぎ出すため、司は10代前半から総合格闘技のアンダーグラウンドなリングに立ち続け、自らの肉体を極限まで痛めつけながら勝利を積み重ねてきたのです。
その生活の中で、司は強欲な大人たちの身勝手さや、既得権益にすがる権力者の醜悪さを骨の髄まで見せつけられました。かつて海岸で妹のために貝殻を拾っていた幼い司に対し、漁業権を盾に理不尽な暴力を振るった理不尽な大人との確執は、彼の心に「純粋な子供たちを汚す元凶は、搾取する既得権層(大人たち)にある」という強烈な原体験を刻み込むことになります。
司が振るう拳は、単なる自己顕示欲や好戦性からくるものではなく、すべては「妹の命を守り抜くこと」、そして「二度と理不尽な強者に尊厳を奪われないこと」への誓いが生み出した防衛本能の極致でした。