孵化から14〜18日が経過すると、ヒナたちは一斉に巣を飛び立つ。しかしまだ自力で十分に餌を捕れないため、親鳥の後を追いかけて「チュン、チュン」と甘えた声を出しながら給餌をねだる姿が見られる。
8月下旬、繁殖シーズンが幕を閉じると、その年に生まれた若鳥たちを中心とした大きな変化が起きる。
ねぐら形成と社会性の獲得
春から夏にかけて単独あるいはペアで行動していたすずめたちは、夏の終わりとともに数百羽規模の群れを形成し始める。駅前の街路樹や河川敷の葦原(あしはら)が、夜間の共同ねぐらとなる。
集団を作る理由は明確だ。天敵であるタカやフクロウ、カラスからの攻撃を分散させ、互いに警戒の目を光らせるためである。さらに、若鳥にとっては効率的な餌場の情報を共有する学習の場でもある。
夕暮れ時、街路樹の葉の影に一斉に飛び込み、大合唱のような鳴き声を上げる現象は、この時期の集団行動の典型例だ。