医学論文や各種調査データを総合すると、両耳あるいは片耳を明確に動かせる人の割合は人口全体の約10〜20%程度と推定されています。日常生活で滅多にお目にかかれない特技とされるのも納得の数字です。
遺伝的な影響については、親が耳を動かせる場合、その子どもも幼少期から自然と耳を動かせるようになる確率が高いことが知られています。これは「耳を動かす遺伝子」が単一で存在するわけではなく、側頭部の骨格形状や筋肉の厚み、そして顔面神経の走行パターンが遺伝するためです。
とはいえ、先天的な要素だけで全てが決まるわけではありません。子どもの頃に「眼鏡がずれるのを手を使わずに直そうとした」「耳を動かす友人の真似をして鏡の前で練習した」といった後天的な遊びの延長で、偶然神経の通り道を開拓した例も数多く報告されています。