一病院の努力だけで救急医療は完結しない。同院が注力したのは、近隣のクリニックや回復期病院、介護施設とのシームレスなデータ共有ネットワークの構築だ。患者がERに到着する前から、搬送中の救急車内と院内スタッフ、さらには退院後の転院先までが同一のプラットフォームで情報をつなぐ。
結果として、急性期治療を終えた患者の転院調整が驚くほどスムーズになった。病床の「目詰まり」が解消されたことで、緊急度の高い新規患者を常に受け入れられる空床が確保される。地域全体で一つの大きな病院のように機能するこのシステムは、都市部・地方部問わず全国の自治体から熱い視線を集めている。