映像が持つプロパガンダ性と告発性の両刃の剣を、ドキュメンタリー映画ほど劇的に体現するジャンルはない。かつてマイケル・ムーアは、過激なアジテーションとユーモアを武器にアメリカの銃社会や医療制度の急所を突いた。彼の手法は主観的すぎると批判を浴びつつも、巨大な世論のうねりを生み出したのは周知の通りだ。
そして世界を震撼させた『ナワリヌイ』の緊迫感はどうだ。毒殺未遂の実行犯に本人が直接電話をかけ、自白を引き出す瞬間のスリルは、いかなるフィクションの脚本も及ばない現実の凄みを突きつけた。映像表現が個人の命を賭けた戦いと直結するとき、ドキュメンタリー映画は単なる記録を超えて、歴史そのものを動かす武器へと変貌する。