缶の裏面にある原材料表示を見てほしい。「果汁、ウォッカ(またはリキュール)」。並んでいるのは、たったこれだけだ。一般的な缶チューハイの原材料欄を埋め尽くす酸味料、香料、糖類、人工甘味料といった文字は一切見当たらない。この潔さこそが、他社製品との決定的な境界線を描いている。
言うのは簡単だが、実現は極めて困難を極めた。香料を使わずに果実の芳醇なアロマを閉じ込め、糖類に頼らず果汁本来の甘みと酸味のバランスでアルコールの刺激を包み込む。果汁比率が高くなればなるほど、果汁の個体差や濁り、経時変化による風味の劣化といった課題が立ちはだかる。原料となる果汁の選定から搾汁技術、ブレンド比率の微細な調整に至るまで、職人技とも言える緻密なコントロールがあって初めて、この黄金比は成立する。
グラスに注ぐと、果実そのものの自然な濁りが広がる。人工的なクリアさではなく、まるで搾りたての果汁をそのままアルコールに溶け込ませたような佇まい。一口飲めば、後味に甘ったるさが残らず、果皮のほのかな苦みと果肉の爽快感がすっと抜けていく。「一度この味を知ると、もう元の缶チューハイには戻れない」と愛飲者が口を揃える理由は、この純粋な原材料設計にある。