痛車化を検討する多くの人が不安視するのが「車検に通るのか」と「手放すときの下取り価格への影響」です。道路運送車両法の基準と中古車流通の実態から、その真相を解説します。
まず車検については、ラッピングそのものが違法になることはありません。ただし、道路運送車両の保安基準第29条により、「フロントガラス」および「運転席・助手席のサイドガラス」へのステッカー貼付は、可視光線透過率70%以上を確保できなくなるため原則禁止されています。リアガラスや車体スチール部分への貼付であれば、灯火類(ヘッドライト・テールランプ・ウインカー)やナンバープレートの視認性を妨げない限り、車検に問題なく合格します。
下取りや売却時の影響については、適切な「剥がし方」を知っておくことが防衛策となります。車専用の高品質キャストフィルムを使用していれば、スチーマーやヒートガンで温めながら丁寧に剥がすことで、糊残りを最小限に抑えられます。むしろ、ラッピング期間中は飛び石や紫外線から純正塗装が保護されていた状態となるため、剥離後に専門業者で軽度のポリッシュ(磨き)を行えば、通常の中古車相場と同等かそれ以上のコンディションを保つことが可能です。粗悪な激安塩ビシートを使用すると、糊が塗装面に固着しクリア層を傷めるリスクがあるため、フィルム素材の選定には細心の注意を払う必要があります。