エンターテインメント界や文学界では、精神的な負荷の大きさや繊細な感受性から、メンタルの不調に直面する表現者が少なくありません。日本国内で自ら双極性障害であることを明かし、オープンに語っている代表的な人物を紹介します。
坂口恭平(作家・建築家・アーティスト)
文筆、絵画、音楽など多方面で爆発的な創造力を発揮する坂口恭平氏は、自身が双極性障害1型であることを公表しています。躁状態のエネルギーと、うつ状態の激しい希死念慮(死にたい気持ち)との壮絶なせめぎ合いを赤裸々に発信し、自らの携帯電話番号を公開して自殺志願者の声を聞く「いのっちの電話」を長年継続。著書『躁鬱大学』などは、同じ病気で悩む多くの読者にとって実践的なバイブルとなっています。
遠藤舞(元アイドリング!!!リーダー・ボイストレーナー)
人気アイドルグループのリーダーとして活躍した遠藤舞氏は、引退後に自身が双極性障害2型であると公表しました。アイドル時代の多忙なスケジュールの中で感じていた原因不明の体調不良や気分の落ち込み、過食などの違和感を振り返り、診断を受けて病名が判明したことで心が救われたと告白。現在はボイストレーナーとして多くのアーティストを指導しながら、SNSやメディアを通じてメンタルヘルスに関する発信を続けています。
泰葉(シンガーソングライター・タレント)
圧倒的な歌唱力と個性的なキャラクターでお茶の間を沸かせた泰葉氏は、ブログを通じて双極性障害の診断を受けていることを明かしました。激しい躁状態での発言やトラブルが世間の注目を集めた時期もありましたが、闘病の現実や主治医との治療プロセスをありのままに語る姿は、病気がもたらす感情コントロールの難しさを社会に知らしめる契機となりました。
北杜夫(作家・医学博士)
昭和を代表する純文学作家であり精神科医でもあった故・北杜夫氏は、日本でいち早く躁うつ病を世に知らしめた先駆者です。代表作『どくとるマンボウ躁鬱日記』では、躁期の過剰な株式投資や狂騒、うつ期の完全な無気力状態をユーモアと冷徹な観察眼で描き出し、後世の文学界や医療界に多大な影響を与えました。