ファンの間でも特に重要視されるのが、この作品の持つ歴史的な背景です。1966年にこの世を去ったウォルト・ディズニー本人が、企画から完成に至る全工程を直接監修した長編アニメーションとしては、本作が実質的な遺作となりました。
後年のインタビューや手記によれば、ウォルトは魔法使いマーリンの人物像に強いこだわりを抱いていたと伝えられています。一見すると風変わりでありながら、深い洞察と愛情を持って少年を導くマーリンの姿に、ウォルト自身のアニメーションや未来世代への想いが投影されていると感じる映画ファンも少なくありません。屈指のファンタジー映画として愛され続ける理由は、こうした製作者の情熱が細部にまで宿っているからに他なりません。