インフルエンザワクチンに関しては、SNSやネット上で根拠の不確かな情報が飛び交うケースが少なくありません。ここでは現場の知見をもとに代表的な3つの誤解を正します。
誤解1:ワクチンを打ってもかかるから意味がない?
「打ったのに感染したから無駄だった」という意見は毎年のように見られます。しかし、インフルエンザワクチンの最大の主目的は「感染を100%防ぐこと」ではなく、「発症の確率を下げ、重症化・肺炎・脳症などの致死的合併症を防ぐこと」です。
厚生労働省の研究班データによると、成人における発症予防効果は約50〜60%、高齢者施設等における死亡・重症化予防効果は約80%に達すると報告されています。感染したとしても高熱の期間が短縮され、軽症で済むという恩恵は極めて大きいのが現実です。
誤解2:去年打ったから今年は打たなくて大丈夫?
前述の通りワクチンの効果持続期間は約5ヶ月です。半年を過ぎると体内の抗体は基準値を下回ります。さらに、インフルエンザウイルスは毎年小さな変異(抗原ドリフト)を繰り返すため、WHO(世界保健機関)および国立感染症研究所がその年に流行する4つの型(4価ワクチン:A型2種・B型2種)を毎年予測し、製造内容を更新しています。昨年の抗体では今年のウイルスに対応できないため、毎年秋の再接種が必須となります。