渡海征司郎の政治家としての原点を語る上で欠かせないのが、父である渡海元三郎の存在です。父・元三郎は自治大臣や建設大臣を歴任した大物政治家であり、戦後復興と国土開発に尽力した人物でした。渡海征司郎自身、いわゆる「二世議員」の代表格として見られがちですが、その歩みは一般的な世襲政治家とは大きく異なっています。
渡海征司郎の学歴は、灘中学校・灘高等学校を経て、早稲田大学理工学部建築学科を卒業、さらに同大学院理工学研究科修士課程を修了するという筋金入りの理系エリートです。大学院修了後は日本を代表する組織設計事務所である日建設計に入社し、建築家・一級建築士として数々の大規模プロジェクトに携わりました。
当時のインタビューにおいて渡海征司郎は、「最初から政治家になるつもりはなく、建築の現場で都市や空間の合理性を追究することが生きがいだった」と述懐しています。父の病気や政界引退を契機に秘書へと転身し、1986年の衆議院選挙で初当選を果たしましたが、建築現場で培った「設計思想に基づいた緻密な政策立案」と「理系特有の論理的アプローチ」は、その後の政治活動における最大の武器となりました。