娘が選んだ伴侶は、当代きっての実力派俳優であり、現在はトライストーン・エンタテイメントの代表取締役社長としても舵を取る小栗旬だ。日本を代表するトップランナーとなった娘婿に対し、父親は決して物怖じすることなく、一人の人間として自然体で接してきた。
かつて二人が沖縄の夜風に吹かれながら泡盛の杯を交わした際、父親が口にしたのは業界の事情や野心ではなく、「優をよろしく頼む」という極めて純粋で素朴な一言だったという。巨大なプレッシャーを背負いながら現場を牽引する小栗にとって、名声に惑わされず、ただ家族の幸福だけを願う義父の飾らない態度は、何より心を解きほぐす安らぎの瞬間となった。今でも家族が集う特別な席では、穏やかな笑い声とともに杯が傾けられている。