この10年間で、日本のメディア環境は根底から覆った。2016年当時はワイドショーが世論を作り、芸能人の好感度を左右していたが、2026年現在の視聴者はメディアの過剰なバッシングに対して冷ややかな視線を送るようになっている。
視聴者は「作られた正義感」による糾弾にうんざりし、むしろタレントの人間的な弱さや不器用さに親近感を抱くようになった。失敗した者を排除するのではなく、その後の振る舞いや本業でのパフォーマンスを通じて再評価する文化が根付いたのだ。狩野英孝のYouTubeでの大成功や、川本真琴の音楽的再評価は、まさにスキャンダル消費のあり方が「一回性の叩き潰し」から「人間性の多角的な受容」へとシフトした証左と言える。