愛知県名古屋市中区栄の街並みが今、目覚ましいスピードで進化している背景には、行政と民間企業が一体となった「栄地区グランドビジョン」と、都市再生緊急整備地域の指定に伴う容積率緩和があります。長年、JRゲートタワーをはじめとする超高層ビル群で躍進した名駅エリアに対し、栄地区は老朽化したビルが密集し、商業機能の流出が喫念されていました。その危機感を打破すべく始動した連鎖的再開発が、今まさに結実の時を迎えています。
転換点となったのは、中部日本ビルディングの建て替えプロジェクトである「中日ビル」のグランドオープンです。地上33階、高さ約158メートルの威容を誇り、ショップ・レストラン、多機能ホール、中日ホテル、屋上広場が有機的に結合。かつての昭和レトロなビルから、最先端のビジネスとエンターテインメントが交差する複合拠点へと生まれ変わりました。
さらに栄交差点の北東角に位置する錦三丁目25番地街区では、地上41階・高さ約211メートルに達するモンスタータワーが姿を現しました。米高級ホテルチェーン「コンラッド名古屋」の進出やTOHOシネマズ、体験型商業施設が融合し、栄のスカイラインを根本から塗り替えています。これらに呼応するように、広小路通や大津通の歩行者優先化(ウォーカブルな街づくり)が加速。単なるビルの建て替えにとどまらず、地上と地下街、公園が滑らかにつながる回遊性の高い歩行空間が誕生したことこそが、急速な進化の決定打です。