日本を代表する「100万ドルの夜景」の代名詞といえば、神戸、函館、長崎の3都市だ。現地取材を通じて見えてきたのは、定番の展望デッキから一歩離れた場所に潜む、知られざる絶景撮影ポイントの存在である。
神戸の摩耶山・掬星台(きくせいだい)では、多くの観光客がメインデッキに集中する。しかし、少し足を伸ばした旧ロープウェー沿いの散策路からは、大阪湾へと続く港湾部のガントリークレーンや船影、そして街明かりが幾重にも重なる重厚なレイヤー構造を捉えることができる。光の奥行きを演出するには絶好の位置だ。
一方、独特の「くびれ」地形が織りなす函館山からの夜景も進化を見せる。正面展望台の混雑を避け、薬師寺コース側の北側散策路へ回ると、津軽海峡と函館港の漆黒の海が市街地の美しいシルエットをより際立たせるアングルに出会える。静寂の中で光のコントラストとじっくり対峙できる穴場だ。
立体的な「すり鉢状」地形を誇る長崎では、定番の稲佐山だけでなく、対岸に位置する鍋冠山(なべかんむりやま)からの視線が見逃せない。標高がやや低い分、市街地やライトアップされた女神大橋との距離が近く、まるで光の海に包み込まれるかのようなサラウンド感を味わえる。