彼女の凄みは、作品ごとにまったく異なる顔を見せる振れ幅の広さにある。映画『老後の資金がありません!』では、浪費家でありながらどこか愛らしく憎めない義母役をコミカルに演じ、上質な喜劇映画としての魅力を引き立たせた。絶妙なコメディジェンヌとしての間合いは、共演したキャストや観客を大いに沸かせた。
一方で、NHKで放送され大反響を呼んだNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、比企尼役として重厚な歴史劇のキーパーソンを見事に体現。一族の母としての気品と凄みを漂わせ、ドラマ全体の緊張感をぐっと高めた。シリアスとコメディのどちらにおいても圧倒的な存在感を示す演技力は、まさに圧巻の一言だ。