日本のナイトライフが最もギラギラと輝いていた1990年代。芝浦の運河沿いに聳え立った伝説のクラブ「GOLD」で産声を上げたダンスミュージックの潮流は、若者たちの夜の過ごし方を根本から変えた。その混沌と洗練が交錯するフロアで、異次元のグルーヴを繰り出していたのが彼だった。当時、最先端のUKサウンドやハウスミュージックを独自のエレガンスで解釈し、フロアに叩きつけるプレイスタイルは、またたく間にナイトクラバーたちの語り草となった。
時代が移り変わり、舞台が歌舞伎町の「CODE」や新宿、そして新木場の巨大なメガクラブへと広がっても、その圧倒的な求心力は揺るがなかった。重厚なライティングとスモークが充満する暗闇の中、ターンテーブルの前に立つ姿はどこか神聖でありながら、フロアと密接に同調する野性味に満ちていた。彼がレコード針を落とすたびに起こる地鳴りのような歓声は、当時の東京におけるユースカルチャーの心拍数そのものだったと言っても過言ではない。