2011年3月11日、東日本大震災の激震が首都圏を襲った瞬間、タワーはまさに最頂部付近の施工を行っている最中だった。地上数百メートルの最上部に位置する大型クレーンが激しくしなり、鉄骨の現場は未曾有の揺れに見舞われた。しかし、現場の施工を一身に背負っていた大林組のエンジニアと建設業のプロフェッショナルたちはパニックを起こすことなく、即座に緊急シャットダウン手順を実行した。
震災発生直後に行われた徹底的な点検において、構造体には目立った破断も歪みも一切発見されなかった。なぜ634mの巨大タワーは壊れなかったのか。そこには、揺れを極限まで逃がす構造設計と、施工を担当した現場の職人技術による緻密なボルト締め付け・溶接作業の精度があった。激震を完全に跳ね返したタワーは直後に634メートルへと無事到達。極限の環境下で実証されたこの揺るぎない堅牢性は、世界の建築関係者を驚愕させた。