ここまで解説してきた技法と発達の文脈を統合し、7月の保育室を彩る実践的なカリキュラムの全体像を総括します。
7月第1週は、短冊や天の川を彩る七夕製作からスタートします。足形スタンプを天の川の土台とし、園児が細長い紙をはさみの一回切りで切り落とした紙片を星に見立てて貼り付けます。刃物を使う緊張感と、切り落とされた瞬間の達成感が子どもの意欲を引き出します。
第2週から第3週にかけては、気温の上昇に合わせてスイカや夏野菜の製作へと展開します。赤や黄色の丸い台紙に指スタンプで種を打ち、ちぎった緑の折り紙を皮として貼る工程を取り入れます。「ちぎる」「指先で押す」という異なる手指の動きが組み合わさり、指先の巧緻性が自然と鍛えられます。
そして7月下旬、暑さがピークを迎える時期には、氷絵の具やはじき絵を活用した巨大な「海の世界」の協働壁面アートへと集大成を迎えます。個々がはじき絵で彩ったカラフルな海の魚たちを、氷絵の具でクラス全員がダイナミックに染め上げた大判の青い模造紙の上に泳がせます。個人の探究がクラス全体の大きな表現へと繋がるこの構成は、子どもたちに「仲間とともに作り上げた」という原初的な社会性の芽生えをもたらします。