ファンが最も注目した赤名リカとカンチの現在の関係性は、単なる不倫や焼けぼっくいに火がつくような安易な展開には至りません。かつて東京の街を全力で駆け抜けた二人は、互いに白髪や衰えを隠せない年齢となっています。
リカは今なお魅力的で自由な精神を保ちつつも、シングルマザーとしての孤独や苦労を乗り越えた強さと優しさを備えていました。カンチもまた、社会の波に揉まれて中間管理職としての悲哀を背負っています。
二人の関係は「元恋人」という枠組みを超え、人生の決定的な瞬間を共有した「特別な理解者」へと昇華します。親族としてこれからの人生で細く長く関わり続けるという結末は、柴門ふみ氏ならではのビターでありながら温かいリアリズムの極致といえます。