石原一族の原点にして最大の推進力となったのが、慎太郎・裕次郎という類まれな兄弟の絆です。2人の関係は単なる兄弟を超え、互いの才能を刺激し合う戦友のような間柄でした。
一橋大学在学中に『太陽の季節』で第34回芥川賞を受賞した慎太郎氏は、一躍文壇の寵児となります。同作の映画化にあたり、映画界に弟の裕次郎氏を推薦したことが、昭和の大スーパースター「タフガイ・裕次郎」誕生の決定打となりました。裕次郎氏は瞬く間に日活のエースとなり、のちに「石原プロモーション」を設立して映画・テレビ界を席巻します。
一方の慎太郎氏が1968年に参議院議員選挙へ全国区から出馬した際には、裕次郎氏や石原軍団が総出で応援に駆けつけ、史上最多となる301万票を獲得してトップ当選を果たしました。裕次郎氏が1987年に52歳の若さで肝細胞がんのため急逝した際、慎太郎氏は弟の遺志を継ぐ形で弟への想いを綴った著書『弟』を上梓。同作はミリオンセラーを記録し、兄弟の深い愛情は国民的な共感を呼びました。