「本田家の末っ子」という看板は、時に強力な武器であり、時に超えるべき高い壁でもあった。
長姉・真凜、次姉・望結という、フィギュアスケート界とエンターテインメント界の双方で一時代を築いた著名な姉たち。その家庭環境で育ったことは、間違いなく彼女の感性を早期に開花させた。幼い頃からメディアの注目の的にさらされ、日常と表現が隣り合わせにある環境。しかし、常に「誰かの妹」として語られる葛藤がなかったと言えば嘘になるだろう。
変化が明確になったのは、ここ数年の出来事だ。自身の意思で選んだキャリアの軸足、スケートで培った表現技術の演技へのフィードバック。成長とともに増した独自の存在感は、「本田家の末っ子」というラベルを自らの力で剥ぎ取ってみせた。