一方で、心理学者や脳科学者は、これらの現象に対して冷静な分析を行っている。人間は、悲劇的な歴史を知っている場所に行くと、無意識のうちに恐怖や不安を感じやすくなる。これを「プライミング効果」と呼ぶ。あらかじめ得た情報によって、脳が些細な音や光の反射を「心霊現象」として誤認してしまうのだ。
さらに、大型店舗特有の空調システムが生み出す微細な低周波音や、広い空間での温度差による気流の乱れ(コールドスポット現象)も、人々に「気配」を感じさせる要因となる。科学的な視点で見れば、それは脳の錯覚と物理現象の組み合わせに過ぎない。しかし、その説明だけで片付けるには、人々の心に刻まれた恐怖はあまりにもリアルだ。