一部で「現代的すぎるのでは」と噂された安治川親方の指導方針ですが、その実態は極めて理にかなったハイブリッド指導です。親方自身が現役時代に両膝の前十字靭帯断裂など数々の重傷を経験したからこそ、「怪我をしない体づくり」と「体の使い方」に徹底的なこだわりを持っています。
稽古場では、単に番数をこなすだけでなく、立ち合いの角度や足の踏み込み位置をミリ単位で分析。映像を活用したフィードバックを日常的に行い、力士自らが納得して修正できる環境を整えています。また、体幹トレーニングや関節の可動域を広げるストレッチを稽古前後に導入し、力士の選手生命を長く保つ工夫が施されています。
「土俵の上では誰も助けてくれない。だからこそ稽古場で徹底的に考え抜く力が必要」という親方の言葉通り、厳しい中にも納得感のある指導が、力士たちの確固たる自信を育てています。